ロボットの記憶からその家の過去を読み解くノベルゲーム『からっぽのいえ』

もはや小説。記憶データから無人となった家の過去を探る『からっぽのいえ』3ゲームの主人公は「RJ6388265」という家庭用汎用性ロボットと、それ補助する役目を持ったオーエス「わたし」

『からっぽのいえ』アプリ公式説明文より

人のもういない空っぽの家を、家庭用汎用性ロボットRJ6388265がいつまでも守り続けています。
RJ6388265の記憶媒体の容量は限られ、家を増強し制御システムをアップデートしていくにつれて、家主との記憶も含まれた記憶データを失っていきます。

どんなゲームなの?

ゲームの内容は、無数の外敵から「いえ」を守るために「RJ6388265」がミサイルで撃墜するもの。ただし、それにはデータ領域内に保存された「わたし」の記憶データを少しずつ消去しながら容量を増やし、家を増強しなければならない、という悲しいジレンマが伴う設定。その「わたし」の記憶データにアクセスし消去することで、実質、プレーヤーは「からっぽのいえ」で過去に何が起きたのかを知っていくことができるという、新感覚ノベルゲーム。こちらが『からっぽのいえ』の本来の主旨だ。

もはや小説。記憶データから無人となった家の過去を探る『からっぽのいえ』1

 

ノベルゲーム

断片化された記憶データにアクセスしていくという本アプリは、どこか懐かしい”ノベルゲーム”というジャンル。

ノベルゲームとは (ノベルゲームとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0

悲しい世界観と、平和な過去の記憶とのジレンマ

もはや小説。記憶データから無人となった家の過去を探る『からっぽのいえ』記憶データRJ6388265の記憶データは、外敵を規定数撃墜することで1つずつアクセス可能になる。敵の撃墜数は、時間の経過でもある程度自動で加算されるようです。

ネタバレがないよう、最低限の最初の記憶をさらっと書くと、こんな感じ。

かていよう はんようせい ロボット RJ6388265 は、<おとうさん> <みっちゃん> をてだすけするため このいえにやってきた

RJ6388265に残された「わたし」記憶データは、ロボットと人間が共存する、ごく平和な日々の記憶でした。でも、ゲーム内の繊細で物悲しいBGM、そして”今は誰もいない”という設定からして、筆者はどうしてもこの家の寂しい過去を想像してしまいます…。「わたし」は何を見たのか。断片的に保存された記憶データを読み進まるために、続きが気になって敵を撃墜しちゃいます。

『からっぽのいえ』はゲーム開発者、ところにょりさんによるインディーズゲーム。同シリーズで『ひとりぼっち惑星』というのもありますので、チェックしてみてください。

Shogo Senouchi『からっぽのいえ』からっぽのいえ – AppStore
https://itunes.apple.com/jp/app/%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%81%AE%E3%81%84%E3%81%88/id1199867002?mt=8